口腔習癖一覧
口腔習癖(こうくうしゅうへき)とは、日常生活において無意識に行っているお口のクセのことをいいます。
口腔習癖は口腔内の発育に大きな影響を与え、不正咬合を引き起こす原因になります。
たとえば指しゃぶりは、3歳ごろまではとくに制限する必要がありませんが、4歳を過ぎても続けていると開咬などの原因になるため注意しましょう。本項目では、指しゃぶりをはじめとする危険な口腔習癖を7つご紹介します。
口腔習癖とは
口腔習癖とは、日常生活において無意識に行っているお口のクセのことをいいます。場合によってはその癖が原因で口腔内の発育に大きな悪影響を与えます。たとえば4歳以降になっても指しゃぶりを続けていると、不正咬合の一種である「開咬」を引き起こす可能性があります。
口腔習癖が残ったままだと、歯列矯正後の歯並びが元の位置に戻る「後戻り」を引き起こす可能性が高まります。口腔習癖が見られる場合は、お気軽にご相談ください。
指しゃぶり
幼児期から長期間に指しゃぶりを行うことにより、出っ歯さん
(上顎前突)、開咬の原因になります。また、上の左右の歯が内側に入る原因にもなります。他にも口呼吸、舌癖(ベロの癖)、口唇閉鎖不全 (口を閉じれない)、構音障害
(うまく発音が出来ない)などの原因となります。
弄舌癖(ろうぜつへき)
上唇や下唇を咬んだり吸う癖がある。上唇の場合は受け口さん (下顎前突)、下唇の場合は出っ歯さん (上顎前突)の原因になります。
咬唇癖
上唇や下唇を咬んだり吸う癖がある。上唇の場合は受け口さん (下顎前突)、下唇の場合は出っ歯さん (上顎前突)の原因になります。
口呼吸
鼻づまりなどで鼻呼吸が困難となり、口呼吸となってしまうと、唇の筋肉が緩み前歯が前に出てきて出っ歯さん(上顎前突)となったりガタガタの歯並び
(叢生)および開咬の原因にもなります。
乳歯の早期脱落
子供の歯から大人の歯に生え変わる時に、子供の歯が抜けて歯がない状態になると、隙間が出来てこの隙間に舌を出す癖(舌突出癖)がついてしまいます。
舌小帯の問題
舌小帯とは舌の裏にあるヒダ状のスジのことを言います。これが短いなどの問題があると舌を上に上げづらくなり、舌は通常よりも下に下がってしまいます。舌小帯が短いとベロを前に出した時に、
赤丸で囲ったようにベロがハート型となります。
態癖
長期的に頬杖をつく癖により下あごに頭の重みが加わり、下あごを後方へ移動させたり、下あごの成長を抑えてしまう可能性があります。
また、片方で頬杖をつく場合では、歯を内側に押す力により、歯並びが左右非対称となったり咬み合わせがズレてしまう原因にもなります。
爪を噛む
爪を咬む癖によりにより開咬、正中離開(前歯正中のすきっ歯) および歯が摩耗する原因になります。
抜けた前歯の隙間に舌をいれる
乳歯から永久歯に生え変わる過程で、とくに多く見られる口腔習癖です。前歯がないことに違和感を覚え、隙間に舌をいれて補おうとする子どもは少なくありません。これにより、舌が周囲の歯を押し出してしまい、出っ歯などの原因を生み出してしまいます。
これからの口腔習癖は、歯並びに影響を与える悪習癖となります。悪習癖を改善する方法としては、装置を使用する場合、口腔筋機能療法(MFT)といわれるお口の筋肉の使い方や舌の癖を治すトレーニングにより治療があります。早期に改善することが重要となりますので、ご自身やお子様で当てはまる場合は一度お気軽にご相談して下さい。
指しゃぶりからベロ出しへ?
指しゃぶりにより前歯が噛み合わなくなり、この隙間に舌を出す癖(舌突出癖)がついてしまいます。
舌癖を改善する方法としては、装置による治療や口腔筋機能療法(MFT)といわれるお口の筋肉の使い方や舌の癖を治すトレーニングがあります。早期に改善することが重要となりますので、気になる方は一度お気軽にご相談して下さい。
5歳以降の指しゃぶり
5歳以降の指しゃぶりで前歯が噛み合わなくなるなど歯並びの問題が顕著な場合では、矯正治療が必要となる場合があります。
心配な場合はご相談ください!
ベロは出していませんか?
指しゃぶりにより前歯が噛み合わなくなり、この隙間に舌を出す癖(舌突出癖)がついてしまいます。
舌を出す癖(舌突出癖) や舌を咬む癖 (咬舌癖) により開咬、 すきっ歯(空隙歯列)、正中離開(前歯正中のすきっ歯)および上下顎前突(上下の前歯の前突) の原因になります。
なぜベロ出したらダメ?
①前歯が噛み合わなくなる
②すきっ歯になりやすい
③上下の前歯が前に出る
舌を出すことで上下の前歯が押されて前に出ます。
その他、発音にも影響を与える可能性があります。
また、舌癖は指しゃぶりから移行することもあるので観察が必要です。
歯並びが悪いと全身疾患につながる?
開咬や上顎前突などで歯並びが悪いと口で呼吸してしまう口呼吸となってしまいます。口呼吸になることで喉が腫れたり、風邪や流行の病気(インフルエンザなど) にかかりやすくなります。
逆に、子供の時に鼻づまりなどで鼻呼吸が困難となり、口呼吸となってしまうと、唇の筋肉が緩み前歯が前に出てきて出っ歯さん (上顎前突)となったりガタガタの歯並び (叢生)
および開咬の原因にもなります。
子どもの成長と指しゃぶりの関係
乳児期(出生直後から1歳まで)
生後2~4か月では口元にきた指などを無意識に吸います。5か月くらいでは何でも舐めるようになります。つかまり立ちなどを行うようになると、指しゃぶりは減少します。
幼児期(1歳~2歳)
おもちゃで遊ぶようになり、日中の指しゃぶりは減少します。
理的な指しゃぶりが習慣化し、日常的に見られます。しかし、多くの子供で活動範囲の広がりにより頻度が減少します。この時期は、生活リズムを整えて、指しゃぶりを忘れるくらい楽しい環境づくりを行うことです。また、注意や叱ることは逆効果となります。
幼児期後半(3歳~就学前)
外で遊ぶようになり、指しゃぶりはさらに減少します。幼稚園などにより社会性が発達し、指しゃぶりが好ましくない行為だと認識し始め、3歳半ごろから自発的期にやめるようになります。しかし、この時期では、指しゃぶりが子供の精神的安定の手段となっている場合があり、やめさせない方が良い場合もあるので一度ご相談ください。5歳ごろではほとんど指しゃぶりをしなくなります。
学童期(5歳~小学生頃)
5歳以降の指しゃぶりで指に吸いダコが出来たり、歯並びの問題が顕著な場合では、矯正治療が必要となる場合があります。しかし、ストレスや環境による子供自身の心の問題が見られる場合は、心の問題を解決することを優先します。
まれに頻繁に指しゃぶりを行う子が存在します。
心配な場合はご連絡ください
ただ、指しゃぶりは乳児にとって口腔の発達のために生理的に行っているため、悪い癖ではありません。
3歳以降の頻繁な指しゃぶりは、歯並びや顎の成長に影響をもたらす可能性があります。
指しゃぶりの原因
単に遊んでるだけ
生後12ヶ月では、口に手をもってこれるようになり、自然と指をしゃぶるようになります。
眠たい時・不安な時
眠たい時や不安を感じる時に安心感を得るために指しゃぶりを行います。寂しさや空腹などを紛らわせようともしています。
ストレスを感じた時
5歳以降では家庭や学校などで何かしらのストレスを感じている場合に安心感を得るために指しゃぶりを行います。